7206人が本棚に入れています
本棚に追加
/573ページ
◆side,RAIGA◆
「愛結!」
「何で!?何で蘭にあんな酷い事しといてよく蘭を好きだなんていいますね!馬鹿にしないで下さい!会長なんかにそんな資格はないです!蘭の笑顔を返して!返せよ!」
そういって俺の胸ぐらを掴んでいる小柄な奴は、目に涙をためて震えていた。
土曜日だが生徒会の仕事が残っていた俺は、寮から校舎に向かっていた。
とてもじゃないが仕事をする気分じゃない。
…あの日から、ランの瞳が頭から離れなかった。
わかってる。
あんな死んだような瞳にしたのは俺だって。
俺のせいで、ランが酷い目にあったって…
なにもかも悪いのは…
自己嫌悪に陥りながらも寮の玄関を出たら、俺の親衛隊で何回か抱いた事のある奴が俺に気づいて近寄ってきた。
「会長様!今日の夜はあいてますか?」
そういって媚を売るように上目遣いをしてくるのを見ると、嫌悪感しか浮かんでこない。
そいつの顔にランの顔が被ると、ドクンって鼓動がはねる。
ランは計算して上目遣いはしない。ただ身長差があるからだが、
それが愛しくて可愛いかった。
甘えん坊な野良犬が俺になついている様で…
,
最初のコメントを投稿しよう!