7206人が本棚に入れています
本棚に追加
/573ページ
「…会長。会長が蘭をどう思っていようが、俺達は蘭を会長にあげる訳にはいかないんです。
蘭がそれで幸せなら…俺は身を引きます… 「な、七海!?なにいっ…」
でも!
蘭は深い傷を追ったまま、今も苦しんでいるんです。
夜中に何度も魘され、泣きだすのを見る度…
俺は…
アンタと季岾を許さない。
二度と蘭に逢わないで下さい。これ以上蘭を傷つけるなら…
アンタを殺してでも蘭を守るつもりです」
真っ直ぐな…
信念を貫き通す曇りのない瞳は、俺の腐った穢れた魂を貫く。
ラン…
俺はどこで間違えたんだ?
ただ、お前を愛したんだ。
お前を俺だけのモノにしたかったんだ。
他の奴がお前に好意を寄せるのが嫌だったんだ。
俺だけを見ていて欲しかったんだ。
言葉にならない想いは、雫となって頬を伝う。
2人が驚いて目を見張っているのが視界の端にうつるも、
一度流れた涙は止まる事はなかった。
…ただ、ランが好きなんだ。
,
最初のコメントを投稿しよう!