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◆side,RAIGA◆
『蘭が季岾と接触していなくなった』
脳裏に同じ言葉が響く。
俺は…
また同じ事を繰り返すのか?
やっと見つけたランを
俺はまた手放すのか?
俺がつけた傷が瘡蓋になったのを、俺が剥がして再び血を流して…
俺はその傷を更に抉るのか?
俺が…
ランを…
そう思ったら、携帯を出して電話しながら走り出した。
「泉か、俺だ。寮の内外にある監視カメラのデータを調べろ。
空き教室や門もだ。この1時間以内の全部。
風紀の双子にも連絡してくれ
ランがいなくなった」
『よくない噂が流れてる。気を付けた方がいい。あの子の存在を知られた可能性が高い』
『………俺は誰にも話してなんか』
『違う。ハヤだ。自分を可愛がる取り巻きにあの子のせいで俺が怪我をしたといっている。お前のとこの親衛隊隊長には話を通してある。これ以上あの子を傷つけるな』
『………泉』
つい昨日交わした会話が脳裏に蘇り、嫌な予感しかしない。
ラン…
ラン!
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