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◆side,―― ◆
「これだ」
警備室にある監視モニターに生徒2人写っていた。
監視カメラの位置からはかなり遠いその場所だが、一人は肩に誰かを担いでいる。
2人が向かったのは寮ではなく、校舎の方だ。
「…これが学園の敷地地図と、カメラの位置がここだから…蘭が襲われたのはここだ。ここからこっち方面に捜索を絞った」
何個もあるモニター画面と地図をみながら説明する泉は、
体育館倉庫や空き教室など人が近づかない場所、連れ込むには最適な場所をあげていき、
七海達や風紀委員達が捜索して空振りだった場所に印をつけていく。
室内には、泉と葵、各務と愛結がいた。
逐一入る報告もその場にいる彼らにしたら、
それさえももどかしい。
「…これ以上は画像綺麗になりませんが…………」
葵が画像処理をしていた手を休め、思案気に顎に手を添えたのをみて泉も視線をモニターにうつした。
そこには小柄な少年らしい人物が写っていて、
……何かが記憶を掠めて、2人は目を合わせた。
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