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◆side,RANJU◆
…あれからどのぐらい経ったのか、
数分なのか、
それとももっとなのか…
ぼーっとする頭では、深く考える事ができなくてゆっくり息を吐き出した。
時折風が吹き付けるような音と、草木が揺れる音が聞こえる事から…
空き地や倉庫内ではなく、草木が生い茂るような場所にあるだろう物置小屋みたいな所だろうと考えていたら…
…鐘の音が聞こえた。
然程遠くない場所から聞こえたソレは、ここが学園の敷地内であろう事を予測できた。
身体のだるさに違和感を覚えたのはさっき。もしかしたら何か薬でも嗅がされたんだろうか…。
その時、ガタガタンと音をたてて扉が開いた。
暗い室内に突然光が射して思わず瞳をつぶってしまう。
「もう起きてたんだ。暗所恐怖症じゃなくてよかったね、ラン」
小柄な少年のシルエットは、クスクス笑っているようだ。
逆光になっているため顔はわからない。
わからないが…
「身体の調子はどうかな?あぁ、心配しなくても一時的なものだから大丈夫だよ。ふふっ…『ソレ』はね」
…『ソレ』はか。
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