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…………喉元に突きつけられたソレにも反応を示さない俺は…
…既に壊れているのかも知れない。
もしかしたら…
あの時から
ずっと…
「………気に食わないなぁ、その目」
喉元につけていたソレを目の前に突きつけられても、顔色どころか瞳も動かさない俺に…
スーッと頬を滑らせていく。
「おいおい、薫ちゃん?俺達のお楽しみがなくなっちゃうじゃん」
「へぇ、大分印象って変わるもんだねぇ、あは!覚えてるぅ?」
「俺達はよーく覚えているぜぇ?」
戸口から現れた男性達は、嫌な笑い方をしながら近づいてくる。
薫と呼ばれた少年が、頬から切っ先を下にずらして…
衣服を切り裂いた。
「――――っ!」
「かっおるちゃーん、勢い余って白い肌まで切ってんじゃーん!」
「別に死にはしないんだから、いいの入ったんだよね。試してみたら?」
「まじで?んじゃ早速!」
頭上のやり取りも、焼けるような痛みに耳に入ってこない。
いつの間にか男が俺の上にいて、
痛みに浅い呼吸をする俺の口を塞いできた。
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