7206人が本棚に入れています
本棚に追加
小屋の外から男達の悲鳴と鈍い音がして、誰かが戸口に立つのがわかった。
薫が小さな悲鳴をあげたのが聞こえる。
「………ラン…?おい、しっかりしろ!」
頬を軽く叩いて意識を自分に向けさせると、
あの綺麗な藍色の瞳がトロンと俺を見て笑い…
熱い吐息と共に俺の首に腕を巻き付けて、
「………ラ…ン?」
唇を重ねてきた。
吃驚して固まる俺が反応しないのがじれったいのか、
ランが舌をいれてきて、熱い吐息混じりの声を漏らした事で、
我に返った。
「や…めろ!…ラン?…んぅ…」
ランを離そうとするが、しっかりと両腕で首に巻き付いて離れない。
「…てめー、何飲ませやがった?」
入り口にいた男が薫の胸ぐらを掴みぐっと扉に押し当てた。その際にぐふぅっというくぐもったうめき声が漏れる。
その声を聞いて、視線を向ければ…
冷たい瞳を怒りに染めた、
銕 狼帝だった。
,
最初のコメントを投稿しよう!