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「…んぐっ…ぁ……るし…!」
答えない薫がじれったいのか、更に力をこめるロウが俺に声をかけてくる。
「……最近、テメーのチームのしたっぱがドラッグ流してんの知ってたか?」
…ドラッグ…だと?
耳を疑う言葉に視線をランの瞳にむければ、恍惚とした理性のない瞳。
まさか…
「…言え。
俺は…躊躇なくテメーを殺せる」
「っぐ!……媚…薬…入りの………!!」
鈍い音と共に薫が意識を失い地面に倒れたのが、視界の隅にうつる。
舌打ちして俺の側にくると、眉を潜めた。
目の前で、俺とランのキスを見せつけられて、
ランの甘い声を聞き、
乱れた姿に…
傷ついた瞳を伏せた。
―――…そう、
いつも俺がランを傷つける。
本意ではないこの行為も、心の中では泣いているのかも知れない。
俺より、
ロウの方が…
そう思ってランを引き剥がそうとするも、
「んふぅ…はぁ…んやぁ…ん」
乱れた息で甘い声をだしながら、俺から離れようとしないランを見て…
「…蘭を頼む、來臥」
そういうと、踵を返した。
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