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「狼帝は知っていたんですね。彼らがドラッグを流用していたのを」
「……確証…ない」
胸元を直しながら小さな溜め息をつく銕先輩は、何処か疲れたような瞳を副会長に向けた。
その瞳を受けた副会長は、何かを決断するように市ヶ谷先輩と目を合わせている。
…なんだ?
「…わかっています。
多分、一晩たてば薬の効果は切れるでしょう。それまでに調べておきます。
宝生、貴方達は部屋で待機して下さい。
ランが目覚めたら連絡します。
それと…
危険分子には、この学園から消えて貰いましょう」
…そう言って笑った副会長の瞳は、
冷たい怒りに満ちていた。
蘭。
どうして、いつもいつも…
俺は一足遅いんだろうな。
この学園に蘭が来てからずっと…一番側にいたつもりなのに…
一番、お前を理解しているつもりだったのに何も知らなかった事に気づいた。
なら、俺がお前の一番の心の拠り所になろうって思ったのに…
どうして
助けたのが俺じゃなくて、蘭を傷つけた会長なんだろうな…
蘭…
俺は…
俺はお前が…
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