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來臥はソファーには座らず、カウンターの椅子に座っていて…
寝室の扉は閉められていた。
誰もが気になる事。
でも、確認したくはない現実…
そんな重い沈黙を破るように、カチッと音が聞こえて視線を來臥に向けると…
彼は煙草に火をつけていた。
いつもなら未成年ですよと、注意をするも…
深く吐き出した紫煙をじっと見つめる來臥の指が、
微かに震えている事に気づいたら…
目を背けてしまった。
深く深く…
ゆっくりと吐き出した息に押し出されるように…
「………ランの様子を教えて下さい」
誰もが気になっている事を聞くために、
來臥をきちんと見て、
ランの身に起きた事から目を反らさず、
そうしないと…
誰も前に進めないから。
誰かが、冷静に状況を判断して決断をしないといけないから…
ランの事なら…
尚更…
今度は、何も知らなかったなんて嫌だから…
來臥は私の視線を真っ直ぐ受け止めて、
射抜くぐらい鋭い瞳を向けたが、瞳を反らすと煙草を灰皿に押し付けた。
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