闇夜の兎…?

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………え? 「……ね………ごめ…ね…あーちゃ…」 耳元で囁くように、私に謝るランの頭に手をあてて… ランの身体を抱き締めた。 ランは… ふふって小さく笑った。 一際鋭い視線を感じて瞳を上げると… 來臥と目があった。 來臥は、 傷ついた悲しい瞳で私を… 正確には、ランを見ていて… 私に気づくと瞳を反らした。 握り締める拳は爪が食い込む程強く… 何かに堪えるように。 …………あの溜まり場にいる時に、皆の前で抱き合っている姿を見た事ない事に… …今更ながらに気づいた。 最初、ランは人に対して警戒心がかなり強く… 來臥は、 ランを守るように奥の部屋に連れていっていた。 旺弘達が知り合いだと分かると、徐々に打ち解け… 気がつくと、 ランの周りには私達がいつもいたかも知れない。 …もしかしたら、 來臥は… それでも… それでも… 彼のやった事は 許される事ではない。 きっとそれは… 私達もじゃないだろうか… ,
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