7206人が本棚に入れています
本棚に追加
◆side,RANJU◆
……どうして
どうして俺は、人を不幸にしか出来ないんだろう…
久しぶりにあったあーちゃんは、俺のせいで傷ついている。
あーちゃんだけじゃない。
來臥も
あきちゃんも
…皆、傷つく事はなかった。
「…………ぁ」
身体が鉛の様に重く、喉も痛くて掠れた声しかでない。
でも…ちゃんと言わないと…
俺を抱き締めているあーちゃんからゆっくり身体を離すと、心配そうにみるから小さく笑った。
あーちゃんは、
昔もよく俺の心配をしてくれた。
大丈夫…
もう逃げないって、決めたんだ。
「…っ蘭!」
あーちゃんから離れて、動かない身体を引きずるようにゆっくり…
ゆっくり…
あきちゃんの声で顔を上げた來臥が、驚いた顔をしてるのがぼんやりと見える。
その姿が霞み、身体のだるさに倒れそうになった。
「ラン!」
不意に抱きすくめられた身体に、一瞬途切れた意識が浮上する。
見えたのは…
逞しい俺を抱く腕と、
俺がつけた爪痕…
俺が…
愛した…
「……來臥…んで……何で?」
最初のコメントを投稿しよう!