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「…薬のせいか蘭は暫く動けそうにない。せめて熱が下がるまでは…來臥が看病する。
すまない」
まるで自分がやったみたいに傷ついた瞳で俺達に頭をさげて、市ヶ谷先輩は帰った。
………蘭は、簡単に気持ちを切り替えれる程器用ではない。
蘭は会長を…
「……蘭が來臥ときちんと話したいっていうんだ」
まだ、好きなのか…?
◆side,RANJU◆
「………ん」
「あ、悪い…起こしたか…?」
額にひんやりとした感触に意識が浮上した。
霞む視界にクシクシ目を擦ると腕をとられて、思わず唸ったら…
ふっと笑った気配がした。
「………いが…」
名前を呼ぼうとしたら掠れた声しかでなく、喉の痛さに眉をしかめていたらしい…
身体を起こされて、ミネラルウォーターをくれた。
何故かそのペットボトルさえ重く感じて一口飲むと、
身体を支えてくれる來臥の胸に凭れてしまう始末。
「薬とイキすぎだな」
………。
思わず言葉に詰まったけど、わかったみたいで頭を撫でられたから許す。
それもわかったみたいで、笑われたけど。
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