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「………ラン」
苦しそうに俺の名前を呟く來臥に、優しく頭を撫でられて…
思考が止まった。
…どうやら無意識にマイナスな考えに向いてしまっているようだ。
だめ…
來臥に責任を感じて欲しい訳じゃないから。
深い吐息をはいて、思考と身体のだるさを逃そうとしたら…
「ラン、薬」
…………って聞こえたから、むぎゅって更にくっついたら…
…呆れたような笑いが聞こえた。
「粉薬じゃない、錠剤だから飲め」
………や。飲むのもだるいし面倒だからこのまま寝るもん。寝たら治るもん。おやすみなさ……ぅぎゅ?
肩を押されて身体が離れたと同時に顔を上に向けられて…
「…むぅー」
「相変わらず嫌いなんだな」
…來臥の口で塞がれて、気づいたら強制的に飲まされた。
だから只今、逞しい胸元をポカポカ叩いて小さな悪態をついていたんだけど笑われた。
「無理するな。ゆっくり話し合おう…な?」
………うん。
そうだね。
そうしたら、この気持ちも…
忘れる事が出来るかもしれない。
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