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「………來臥?」
俺を抱き締めたまま何も言わない來臥に、どうかしたのかなって頭を撫でたら…
更に力が加わった。
「………なんでだろうな…
いつもお前の周りには、誰かがいる…
俺なんかよりも…お前の事理解して…
俺が一番お前の事理解してたつもりだったのに…」
…………來臥
それは俺も思っていたんだよ?
いつも來臥の周りには色んな人がいて、
俺がそこに入るにはあまりに遠くて…
あの小さな公園では隣にいれたのに、
たまり場に行くようになってから隣に並ぶ事が…
…怖くなった。
だって、俺なんかが來臥の隣に立つには…
あまりにも違いすぎて…
來臥の側にいたあの子達が…
羨ましかった。
「……何処で…すれ違ったんだろうね…俺達…」
「………ランっ」
俺らは、ただ…
一緒にいたかっただけなのにね…
一緒に笑っていたかっただけなのにね…
來臥の手が優しく俺の髪を絡めとり、頭にキスをする。
顔をあげると、切ない金色の瞳が目の前にあって…
徐々に近づく距離に俺は…
瞳を閉じた。
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