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…………ねぇ、來臥。
俺ね…
本当に嬉しいんだよ?
やっと、來臥と向き合って昔みたいに穏やかに過ごしている今が
不思議と違和感もないんだ。
それはきっと、
俺達がちゃんと向かい合って話をしたからなんだと思う。
下らない見栄や虚勢を捨てて、ちゃんと話し合ったから…
「……大丈夫だよ、俺は」
「お前の大丈夫程あてにならないもんねえぞ」
「ふふ。信用ないね」
「いや、信じてるさ。…信じてるからこそ心配なんだよ」
………うん。
有難うね、かーくん。
「…お前が仮に…來臥を選んだとしても、
俺はお前の味方だから。
俺だけじゃない。あいつらも…だから、
自分の事だけ考えろ」
…………。
念を押すように俺を抱き締める腕に力がこもるから、
安心させるようにかーくんの背中に手を回した。
…あの時、無意識に助けを求めていたのは…
來臥ではなかった。
自分でも気づかなかったのに、もしかしたら來臥は気づいていたのかも知れない。
だからね?
俺達は俺達の為にこの時間を過ごす事に決めたんだよ。
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