想いの丈は…?

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なっちゃんも愛結も、俺に気を使ってか基本的に寮にいてくれる。 家に帰らない俺がなるべく1人にならないようにって… 「うーん、大丈夫だよ?まだ読んでない本あるから部屋でのんびりしてるし。だから心配しないで」 にっこり笑って言うと、どこか腑に落ちない顔をしながらも… 「何かあったら俺等に連絡しろよ」 っといって自室に入るけんちゃんに、手をあげて返事をした。 「うーむ。さてどうしようか…」 え?何を悩んでるのかって?今ねー、手元にある本を見てたんだけどねー? たまにはサスペンス物も読みたくなっちゃってさー。 ドキドキしながら推理したい気分なんだよねー。 目指せ!名探偵コ◯ン! いや、嘘です。夕べテレビでやってたからノリたかっただけなんです。寂しい奴だなんて思わないで下さい。 「よし、借りにいこう」 「どこに行くんだ?」 「あ、なっちゃん」 部屋でブツブツ言ってたのが聞こえていたらしく、 いつの間にか来ていたなっちゃんが戸口に立っていた。 「なっちゃん、なんか面白い本持ってない?」 「考古学」 ………ごめんなさい。今現在の事でも無理です。
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