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「ごめんね?いきなり…」
「いや、構わない。元気そうでよかった」
俺を抱き締めて頭を撫でてくれるいーちゃんに、ちょっとほっとした。
なっちゃん達が帰郷して3日後、借りてた本を制覇して名探偵に片足を突っ込み図書室に本を返した帰りに電話した。
エレベーターが開いて呼び出したいーちゃんに手を引かれ、只今…
…重厚な扉の前にいる訳で
中には來臥もいるんだろうな…と思うと、流石に入りづらく…
隣の会議室で待たせて貰う事にしたのが15分前…
どうしても気になっていて、さっきいーちゃんに様子を聞いてチクリと心が傷んだ。
窓の前に立って外を眺めながら、グラウンドで部活に励むサッカー部をなんとなしに眺めていると…
不意に後ろからぎゅぅ…と抱き締められた。
「…ごめんね?中々来れなくて」
「…どうした?」
「んー。あきちゃんの顔が見たくなったみたいな?」
「………」
そう言うと、何も言わずに俺を抱き締める手に力がこもる。
あきちゃんは少し痩せたみたいで、目の下に隈があって…
身体の向きをかえて見上げて、目の下にそっと触れた。
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