闇が明ける朝には…

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「……どうやら、顕彰の家で抗争があったらしい」 「で、顕彰は?」 「今は分家の家に身を寄せているみたいだ。昨日、やっと連絡がとれたんだ」 風紀室で書類を片していた俺の耳に、なっちゃんと愛結の会話が聞こえてほっとした。 相手側から仕掛けてきたらしく、けんちゃんの家からは逮捕者が出なかったようだ。 だけど、怪我人が出たらしく… けんちゃんのお父さんも肩を撃たれたそうだ。 入院中のお父さんに代わって指示をしていたのが、けんちゃんらしく… それで戻る事が出来なかったときいて、深い吐息をはいた。 寮に戻ると、ないはずの靴があることに気づいて慌ててリビングにはいると… ソファーに寝っ転がっている赤い髪をみつけた。 「…よかった…けんちゃん」 …一瞬頭を過った考えにため息をはいた。 「…けんちゃん?」 顔をのぞきこむと規則正しい寝息が聞こえて、その場に座りこんだ。 ケンチャンモイナクナルノ? 少し癖っ毛の赤い髪は、今はたたしていなく… 顔には殴られたような痕もあって… ここに帰ってきてくれた事に、安堵の吐息をはいた。 ,
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