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「銃乱射現場にいながら当たらないとか」
「悪運だけは強いんだよね!顕彰って」
「…てめーら」
翌日の朝、迎えにきたなっちゃんと愛結に弄られるけんちゃんを見て思わず口元を抑えたら…
理不尽な八つ当たりを受けました。
「だから痛いんだからね!皆して何でおでこばかり…」
「チッ…笑ってんじゃねーよ」
「まだ笑ってないからね?」
「笑う予定だったんじゃねーか」
「なっちゃん!けんちゃんが苛める!」
「あ!てめっ」
いつも通りの何気ないひとこま。
ずっとこうしていたいと思ってしまう俺の心とは反対に、やはり求めると手から溢れてしまうんだ。
「………風紀を辞める?」
卒業までの半年間、ギリギリの出席だけ学校に通いながら後継ぎとしての社会勉強の為に、
風紀まで手が回らないという…
なっちゃんは仕方ないといって、副委員長に愛結を指名した。
「…わりぃな」
けんちゃんは、あまり寮に帰ってこなくなり…
リビングの扉をあけた俺は、その室内の静けさに昔を思い出していた。
「…………静か」
俺はまた眠れなくなっていた。
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