闇が明ける朝には…

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「浅野があまり顔出さないから、寂しいんじゃない?」 「ならあいつらと寝ればいいだろ」 「…誰も寂しいなんて言ってないじゃんか」 「顔に書いてあんだよ、かば」 かばじゃないもん! むぅーっと剥れた俺の頭を、かみちゃんはよしよしと撫でてくる。 「神楽も意地悪言わないの」 「事実だろ」 ぷんだ!かみちゃんに抱き付きながら、かーくんにべーっと舌を出すと… 「これか、この口が悪いのか」 「ほへんなはい、いひゃいれす!」 頬を引っ張られてあっさり降参した俺。だって、まじに痛いんだもん! 「蘭、お前は誰とも付き合わないのか?」 「…何で?」 いきなり何をいいだすのか、首を傾げてかーくんを見上げたら… かみちゃんに苦笑された。 「過保護だからね、神楽は」 「お前ほどじゃねえよ、各務」 「当たり前じゃない。蘭ちゃんが幸せじゃないと、兄としてはおちおち論文も書いてらんないもん」 「書いてんじゃねーか」 「えー?そうだっけー?」 2人のやり取りを聞きながら、仲いいなーなんて思ってないし。 「「仲良くないからね!(ねえよ!)」」 …ほら、息ぴったりじゃんか。 ,
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