闇が明ける朝には…

14/35
前へ
/573ページ
次へ
「…どーした。眠れないのか?」 「…なっちゃんこそ」 こっちの部屋はダブルサイズのベッドが2つあって、俺達はそれをくっ付けて寝ていたんだけど… 真夜中に目が覚めてしまってからは中々寝付けれなくて… ベランダに出て、暗い闇から聞こえる波音を聞いていた。 なっちゃんは、何も聞いてこない。 1人であまり眠れない俺を心配して、一緒に寝るか?って言ってくれるけど、 風紀の仕事で疲れているのに、甘えるなんて出来なかった。 …俺は弱い 『感情』は、俺には邪魔なものでしかなく… 誰かに依存しなければ、1人で立つ事も出来なくなるから… 「…なぁ…蘭」 不意に後ろから抱き締められて、低く優しい声色で囁く。 なっちゃんに抱き締められると、酷く安心するんだ。 その暖かさに、 一瞬、言われた意味がわからなかった。 「蘭…俺を選べ」 …………。 今……何…を? 頭が真っ白になって、考える事が出来ない俺に… なっちゃんの腕に力がこもった。 「お前が好きだ。ずっと好きだった…俺の側にいて欲しい」 ,
/573ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7208人が本棚に入れています
本棚に追加