闇が明ける朝には…

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――……… 「…ん……蘭?」 「…え?」 「どうかしたの?ぼーっとして」 …あれからなっちゃんの態度はいつもと変わりなく、俺となっちゃんは普通に今までと変わらない関係が続いている。 2人でいると、あの時の事を思いだしてしまい意識してしまうけど… 夏休みも課題を何とかクリアして、気がつけば新学期が始まりいつもと変わらない穏やかな日々が過ぎていく。 愛結と風紀室で書類を睨めっこしていた俺は、いつの間にか手が止まっていたらしい。 何でもないよ。と、返事をかえして書類に目を向けた。 視界の隅に心配そうな愛結がうつったけど、気づかないふりをして… 「ちーす」 「あ、おはよう。篠原君」 扉が開いて入ってきたのは、2年の篠原 仁(シノハラ ジン)で、今年風紀に入った見た目不良君、中身も不良君。 なんと、げんちゃんの弟とか。 何気に驚いたけど、やっぱりげんちゃんと同じ血筋らしくすぐからかうから… 「いやー、いつみても可愛い(ちっちゃい)先輩達っすね!」 「ふふ、今すぐその口を縫おうか?」 「嘘っす!誤りますからその裁縫セットしまいましょーや!目がまぢとか!」
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