闇が明ける朝には…

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げんちゃんは相変わらず、情報屋をやっていて… だから確かな情報なんだけど… でも、何で今頃? 「なんかー、はっきり教えてくれなかったんすけどね? 全身黒ずくめの男がその場を静めたとか何とか」 『全身黒ずくめの男』 ………それって 「すげーっすよねぇ!組の抗争止めるとか!あー、俺もそんな強い男になりたいっす!」 「安心して、君には地球が滅亡したって無理だから」 「笑顔で秒殺!酷すぎるっす!夢ぐらい見たっていいじゃないすか!」 「今君が見るのは夢じゃなくて書類でしょ?それとも本当に夢見させてあげようか?」 「あれ、なんだろー。目から汗出そうっす…」 「まったくもう、口より手を動かしてよね。ねぇ、蘭」 ………まさか…でも… 「蘭?どうかしたの?具合悪い?」 「え?」 目の前で手を振られて思考が戻る。 心配そうに覗きこむ愛結と、不思議そうな仁ちゃんが視界にうつり『ソレ』を脳から押しやった。 「大丈夫。少し疲れたからおやつにしたいなーって思って」 「……そっか。あ、プリン食べる?昨日作ったんだ」 「食べる!」 「この扱いの差って…シクシク」
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