闇が明ける朝には…

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「七海とうまくいってないの?」 「…え?」 ――…あれから数日、食堂で愛結とご飯を食べていたら不意に聞かれた内容に… 手が止まって愛結を見上げた。 どこか悲しそうに笑う愛結は、あの日俺達の会話を聞いていたらしい。 「…愛結」 「僕も蘭が好きだよ?でも、蘭が七海を選ぶならそれでもいいと思ってるんだ」 …それは思いがけない告白で、 サラリと何でもないように言うから、どうしたらいいのかわからなくて俯いてしまった。 「ふふ、ごめんね?言うつもりはなかったんだけど、蘭は自分より周りを気にしちゃうから… でもね?蘭が幸せになるならそれでもいいと思ってるんだ。 だから… 自分の気持ちだけ優先して? 蘭が七海を選んでも、選ばなくても… 後悔しないように」 ………愛結 「大丈夫だよ。もし、選ばなくても七海も僕も顕彰だって、皆蘭の傍にいるから。 1人じゃないから…ね?」 そう言って笑う愛結は、凄く眩しくて… 俺は歪む視界を隠すように目を閉じた。 「…有難う…愛結」 ,
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