闇が明ける朝には…

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「お前の家庭環境は、理事長直々に脅され…ゴホン!話があったけど」 ………父さん、何したの。 「後継者ならやっぱり進学にするか?それか、会社に入って…」 「………宮ちゃん先生。俺には、父さんの後を継ぐ器量も技量もないよ」 自嘲気味に笑うと、瞳を窓の外に向けた。 卒業したら、皆バラバラになるのは当たり前なのに… やはり寂しいとも思ってしまう。 「…蘭」 「俺には、あの世界で生き抜く程強くもないし。第一、頭悪いしね」 「そうだな、お前の脳ミソだと二流大学だ」 「喧嘩売ってる?それとも慰めてるとか?」 「一応、慰めてやってんじゃねーか。心優しい先生様が」 「煙いー、おーぼー教師ー、あ、嘘っす。地球儀投げるの反対」 「チッ」 煙草の煙を手でパタパタ扇いで皮肉ったら、盛大な舌打ちを貰いました。 「真面目に考えろや、喰うぞ」 「セクハラ禁止ー。俺、風紀委員だからねー、取り締まるし」 「で?どうなんだよ。何気に理事長も気にしてんだよ。あまり心配かけんな…」 …………。 …そっか…父さんが… 「……………宮ちゃん先生…お願いがあるんすけど」 ,
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