闇が明ける朝には…

23/35
前へ
/573ページ
次へ
「はっきり言わないと伝わらないだろう?特に蘭はすぐ誤魔化すしな」 「…なっちゃん意地悪になったよね」 「もう遠回しのアプローチはする必要ないからな」 そう言われて、改めて告白された時の事を思い出して赤面してしまう。 「ぷっ!真っ赤」 「………やっぱり意地悪だ」 不貞腐れた俺を見て笑ったなっちゃんは、俺の額にキスをすると強く抱き締める。 「……なっちゃ…」 「好きだよ、蘭」 あれから、未だに答えを出していない俺は… …狡いのかも知れない。 なっちゃんの優しさに甘えているのはわかっているんだ。 …わかってはいるんだけど、恋に臆病になった俺には この手を掴む事に躊躇ってしまうんだ… なっちゃんもろうちゃんみたく、いなくなるんじゃないかって… 「大丈夫だから、蘭。俺は何処にも行かない。俺が蘭の傍にいたいんだから…」 …なっちゃん 「蘭が嫌がっても離す気ないけどな。いつまでも待つさ。少しは俺の事意識してくれてるし?」 わざと冗談めいて言うなっちゃんは、俺の心を軽くしてくれる。 …なっちゃんは、俺の大切で大好きな… 大好きな………
/573ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7208人が本棚に入れています
本棚に追加