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「はっきり言わないと伝わらないだろう?特に蘭はすぐ誤魔化すしな」
「…なっちゃん意地悪になったよね」
「もう遠回しのアプローチはする必要ないからな」
そう言われて、改めて告白された時の事を思い出して赤面してしまう。
「ぷっ!真っ赤」
「………やっぱり意地悪だ」
不貞腐れた俺を見て笑ったなっちゃんは、俺の額にキスをすると強く抱き締める。
「……なっちゃ…」
「好きだよ、蘭」
あれから、未だに答えを出していない俺は…
…狡いのかも知れない。
なっちゃんの優しさに甘えているのはわかっているんだ。
…わかってはいるんだけど、恋に臆病になった俺には
この手を掴む事に躊躇ってしまうんだ…
なっちゃんもろうちゃんみたく、いなくなるんじゃないかって…
「大丈夫だから、蘭。俺は何処にも行かない。俺が蘭の傍にいたいんだから…」
…なっちゃん
「蘭が嫌がっても離す気ないけどな。いつまでも待つさ。少しは俺の事意識してくれてるし?」
わざと冗談めいて言うなっちゃんは、俺の心を軽くしてくれる。
…なっちゃんは、俺の大切で大好きな…
大好きな………
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