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「………留学?」
放課後、風紀室で進路指導の先生から進められた話を聞いた。
愛結は複雑そうに俺となっちゃんを見ているけど…
「流石委員長っすね!先生も一目置く存在っつーか…痛!」
「ややこしくなるから黙っててくれる?」
話をちゃっかり聞いていた仁ちゃんは、愛結の満面な黒い笑みに必死に首を縦にふっている。
…うん、鶏さんみたい。
「でも七海、もう少しで卒業じゃない?大学から行くとか出来ないの?」
「…語学勉強しながら向こうのハイスクールに通って受けた方がいいって言われたが、俺は行く気ない」
「………何で?」
「「え?」」
思わず呟いた声は思いの外、室内に響いて…
「蘭、七海が向こうに行ったら離ればなれになるんだよ?」
「そーっすよ!いくら相思相愛でも離れたらどうなるか…痛!」
「篠原君?」
「ひぃぃ!何でもないっす!」
再度、宙を舞うハリセン攻撃に仁ちゃんは両手で口を押さえた。
…仁ちゃん。離ればなれにならなくても、人の気持ちなんてわからないんだよ?
「俺は大丈夫だよ。自分を犠牲にするなっちゃんは、嫌いだからね」
笑っていうと、渋い顔をされた。
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