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「………蘭?」
けんちゃんの口を人差し指で押さえた。
けんちゃんを助けてくれた人…
「俺には言うなって言われなかった?」
「!何でそれ…」
…げんちゃんが弟である仁ちゃんに漏らした情報。
普段のげんちゃんなら絶対しないのに…
そう考えて、気づいた。
「やっぱり…あの人らしいね。
ね、けんちゃん。
約束して?
…けんちゃんが生きる世界がどんなに危険でも、自分の命だけは粗末にしないって。
俺、けんちゃんがいなくなったら泣いちゃうからね?」
「!…………蘭」
「大切なんだ。けんちゃんもなっちゃんも愛結も…
皆、俺には大切で大好きなかけがえのない親友なんだ」
そういうと、一瞬悲しみに染まった瞳は一度閉じると優しい笑みを浮かべていて…
俺は、けんちゃんの広い胸元に額をつけた。
「チッ…仕方ねえな。お前が陰気くせーと、七海達がうるせーから親友でいてやる。感謝しろ」
「ふふ…やっぱりけんちゃんはツンデレだね」
「…調子のんな」
呆れたような声で頭を撫でられて、俺は瞳を閉じた。
「今まで…有難う…」
「…蘭?」
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