闇が明ける朝には…

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歪みそうになった口元を引き締めて、ぱっと離れた俺はけんちゃんを見上げてにっこり笑った。 「また一緒に寝てくれる?」 「はぁ?」 「だって、けんちゃん暖かいんだもん。抱き枕っていいよね!…はぅ!だから痛いんだってば!」 呆れたような瞳は優しく微笑んでいて… 「いつでもしてやるよ」 「…ツンデレ不良受けにならない?はぅ!だから冗談じゃない!」 「テメー、人の行為を。これかこの口があの腐れ笹川に感化されたのかよ」 「いはい!いはいれす!ほへんなはい!」 びよーん!と、頬っぺを伸ばされてバシバシけんちゃんの腕を叩くも全然きかなくて… 「じゃあな」 …今度こそ、けんちゃんは行ってしまった。 けんちゃんの背中から桜の木を見上げて、瞳を閉じた。 自分で出した結論に、瞼の下で滲むも息をはいてソレを逃して… 「………いいのかあれで」 後ろから聞こえる声に、瞳を開けて桜を見た。 その光景を焼き付けるように… 「うん」 「…蘭珠が決めたんなら俺は何も言わねえよ」 「父さん…格好いいね!」 「は!今頃気づいたか」 …俺達は、今日"卒業"した。
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