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目の前では、ある意味仲睦まじく喧嘩をする親子で…
紫音さんも呆れたような笑みを浮かべている。
「要は似た者同士なんですよ」
という、一番納得いく答えを貰った。
「俺は蘭珠が幸せになるならそれでもいいと思った。でも、"ここ"は敵ばかりじゃないですか。気抜いたら毒盛られるぐらい」
「毒味役はお前がやればよかろう」
「倒れたあんたには言われたくないですよ」
…去年、祖父は心臓を煩い倒れたのだ。
囁かれた噂を聞いた時は、耳を疑ったけど。
「なら、SPでもつけるかのう?」
「は!どこの馬の骨とも解らない奴に、蘭珠を任せる事なんか出来ません」
「…ああ言えばこう言う。一体誰に似たんじゃか」
「「…………」」
思わず紫音さんと目があって、口を押さえた。
「喧しい親馬鹿じゃ。ワシの知り合いに信頼出来る奴がおるから、それをつければよかろう?
蘭珠の秘書兼ボディガード兼友人になれば、お前も文句はあるまい」
倒れた祖父を付きっきりで看病した僕は、今も会長の側付き兼秘書みたいなものである。
親族は俺に世話役を押し付けたみたいに思っているけど。
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