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…あれ？ちょっと待って。
｢…あの、僕まだ後継者なんてなるつもりも技量もないんですけど｣
そう言うと、何故か言い合いしていた２人から白い目で見られた。
｢｢技量はあるから心配するな｣｣
見事に被った２人は、お互いの顔を嫌そうに睨み合っている。
｢…紫音さん｣
｢ふふ。蘭珠様は既にこの"鷺ノ宮の後継者"として、本家に入ってたんですよ。気づきませんでしたか？｣
｢……父さんの秘書見習いじゃ｣
｢いつかはこんな日が来るかも知れねぇと思ってたからな、地道に潰…根回ししてたしよ｣
…父さん、言葉が隠しきれてないよ。
｢どうしても潰したい奴は無理だったが、お前がきた事で焦ってへまをしたからな。ま、一石二鳥だ｣
…なんか違うんじゃ。
｢奥様と約束してたそうですよ？蘭珠様がもし鷺ノ宮に戻る時がきたら、その時までに危険分子は潰しとくからと｣
こっそり耳打ちして教えてくれた紫音さんは、そのせいもあって中々一緒にいれなかった事も気にしていたらしい。とも…
｢気にしないでいいんですよ？側にいれない彼なりの、親としての義務を自分に課せていたんですから｣
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