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ジャリ…
砂利を踏む小さな足音が聞こえた気がして、顔を上げた瞬間…
「…!」
息苦しさにこの状況が理解出来なかった。
喉を絞める物を引き剥がそうと、もがけばもがく程…
意識が混雑する。
…誰か
背後にいるだろう人に向かって肘打ちをすると、反撃されるとは思っていなかったのか…
緩んだ隙を狙って、脚で蹴り飛ばしながら逃れた。
砂利に滑るように身体が地面に倒れ、酸素を求めるように咳き込む。
…逃げなきゃ!
そう思うのに、身体は言う事を聞いてくれず…
「っ!」
大柄な男が俺の身体を抑えつけるように乗る。
霞む視界に、太陽に反射してキラリと光るモノが見えた。
…それが振り下ろされるのも。
「蘭!」
「っがは!」
大きな音がしたと同時に、身体の上が軽くなった。
咳き込み霞む視界に黒い影が映るも、よく見えなくて…
…俺は、意識を手放した。
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