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「……………あー、ごほん」
わざとらしい咳払いが聞こえて、ろうちゃんの腕の中から見ると…
そこには…
明らかに機嫌の悪そうな父さんと、苦笑する紫音さんがいた。
「いい加減離れろ。つか、蘭珠はまだてめーにはやらんぞ!」
「大人気ないですよ。いい加減、子離れしたらどうですか」
「は!誰がするか!俺は蘭珠の父親だ」
「当たり前な事を態々宣言しないで下さい。気分はどうですか?」
………どうやら見られていたらしく、かなり…恥ずかしかったけど。
ろうちゃんが俺から身体を離したから、離れないようにろうちゃんの首に抱きついた。
「あ!てめ!離れろ!銕!」
「明らかに抱きついてるのは、蘭珠様ですけどね。ちょっと失礼しますね」
紫音さんは父さんを押し退けて俺の傍に来ると、俺の額に手を当てる。
ろうちゃんが優しく微笑むから、渋々離れて紫音さんの診察を大人しく受けた。
首の包帯を取ると、赤黒く痣が残っていたらしく…
紫音さんやろうちゃんまで瞳を細めた。
…父さんからはもの凄い怒りのオーラを感じて、直視出来なかったけど。
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