鴉の行方…

18/23
前へ
/573ページ
次へ
「……………あー、ごほん」 わざとらしい咳払いが聞こえて、ろうちゃんの腕の中から見ると… そこには… 明らかに機嫌の悪そうな父さんと、苦笑する紫音さんがいた。 「いい加減離れろ。つか、蘭珠はまだてめーにはやらんぞ!」 「大人気ないですよ。いい加減、子離れしたらどうですか」 「は!誰がするか!俺は蘭珠の父親だ」 「当たり前な事を態々宣言しないで下さい。気分はどうですか?」 ………どうやら見られていたらしく、かなり…恥ずかしかったけど。 ろうちゃんが俺から身体を離したから、離れないようにろうちゃんの首に抱きついた。 「あ!てめ!離れろ!銕!」 「明らかに抱きついてるのは、蘭珠様ですけどね。ちょっと失礼しますね」 紫音さんは父さんを押し退けて俺の傍に来ると、俺の額に手を当てる。 ろうちゃんが優しく微笑むから、渋々離れて紫音さんの診察を大人しく受けた。 首の包帯を取ると、赤黒く痣が残っていたらしく… 紫音さんやろうちゃんまで瞳を細めた。 …父さんからはもの凄い怒りのオーラを感じて、直視出来なかったけど。 ,
/573ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7208人が本棚に入れています
本棚に追加