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「丸1日目が覚めないから少し心配したんですが、脳波などには異常ありませんでした。気分は悪くないですか?」
…え、俺1日寝てたの?
「…一度目を覚ましたんですが…その…」
言い淀む紫音さんに、自分がまた闇に囚われていたのを悟った。
「…もうあんなお前を見なくていいって思ってたのによ。
…でも、よかった」
俺の頭を撫でる父さんの手は、とても暖かくて…
それと同時に、
また心配かけた事に申し訳なくて、瞳を閉じた。
「…心配かけて、ごめんなさい」
「お前のせいじゃない。危険分子を全て排除出来なかった俺の責任だ。
ごめんな、怖い思いさせて…
お前まで失ったらと思うと…俺は…」
父さんに頭を抱えるように抱きつかれて、俺は父さんの服を掴んだ。
母さんが亡くなっても、一度も弱音を吐いた所を見たことなかったから…
「…父さん。心配かけてごめん…有難う」
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