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…あれから数日経って、俺の首の痕も少し薄れていた。
あの後、体調を崩した俺をろうちゃんが付きっきりで傍にいてくれた。
どうやら、祖父が言っていたボディガード兼秘書兼友人が…
ろうちゃんらしく…
「俺の親父の新しい雇い主が会長らしい」
歳近い俺達なら…と、ろうちゃんのお父さんと相談していたようだ。
ろうちゃんはその話を聞いて、俺と逢うのを躊躇ったみたいで…
でも、他の人がつくのは嫌だから。と真顔で言われた。
「熱下がったな…」
再会したろうちゃんは、何故か俺に前より過保護になっていて…
「…起きていい?」
「無理はするな」
何ていうか…
「ろうちゃん…変わったね。前はもうちょっと放任主義じゃなかった?」
「大事な奴をやっと手にいれたんだ。独占して何が悪い」
………いや、その…はっきり真顔で言われると反応困るんですけど。
「そこ!イチャつくな!」
「あれ、父さん?会議に行ったんじゃなかったの?」
「出かける前に釘を刺そうと思ってよ」
…釘?
何の事かわからなくて首を傾げる俺を他所に、父さんはろうちゃんを引っ張って行った。
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