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「ただのヤキモチですよ。熱も下がったようですし、顔色もいいですね」
「…ヤキモチ?何で?」
「溺愛息子を嫁に出したくないだけですよ、蘭珠様」
…嫁って…俺男なんだけど。
「来週、後継者としての発表をします。鷺ノ宮の後継者として、これから大変だと思いますが…
貴方にはいつも銕が傍にいます。翁蘭様や私もいます。
だから、貴方は貴方のままでいいんですよ?
けして、翁蘭様みたくなろうとか思わないで下さい。
というか、ならないで下さいね?」
何故か念を押された。
でも、紫音さんの言葉に少し心が軽くなったのは事実で…
「はい。有難うございます」
頭を撫でる紫音さんに甘えていたら、扉がバン!と開いて…
「紫音、俺の蘭珠に触んじゃねぇ。つか行くぞ」
「嫉妬丸出しですねぇ」
苦笑した紫音さんは、父さんの後を追った。
入れ替わりに入ってきたろうちゃんは、俺が座っているベッドに座って俺を膝にのせると抱き締めてきた。
「父さん、何て?」
「触るな抱きつくな独占するなキスするな、あとヤるな…」
「……もういいです」
何か恥ずかしくなって、ろうちゃんの肩に顔を埋めた。
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