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…でも、今抱き付いてるけど
「俺には社長の姿は見えない」
…いないからいいって事ね。
ろうちゃんの首に手を回すと、俺の身体を優しく抱き締めてくれる。
ろうちゃんが、今、ここにいるという事を実感できて…
「…今までどこにいたの?」
そう聞くと、頭を撫でられた。
「色々…前に蘭を見かけたんだ」
……え?
顔を上げると、ろうちゃんは優しく微笑んでいて額にキスをした。
「あいつらと仲良く海で笑っているのをみて…
嬉しいのと同時に…
嫉妬した
俺がいなくても、蘭は笑っていられると」
そう言ったろうちゃんは、少し悲しい瞳で…
「…ずっと、遠くから見てた。お前が宝生と付き合っているって聞いて…
なら、俺の役目は終わったのかって…
だけど、やっぱり忘れる事は出来なかったけど」
苦笑しながら言うろうちゃんは、俺の額にコツン…と合わせると、頬に手を添えて…
「………嫉妬で狂いそうだった」
「…ろう…ちゃ」
重なる唇に、俺は瞳を閉じて応えた。
…ろうちゃん、俺も狂いそうだったよ。
逢いたくて…
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