7207人が本棚に入れています
本棚に追加
「……蘭…俺から離れるな。何があっても、俺がお前を護るから…」
「…ぁっ!……ろうちゃ…ん!」
「…死んでも離さない」
「ん!お、れも…離さな!
…ああ!」
…ずっと、
ずっと願っていた。
暗闇の中で膝を抱えながら…
誰かに抱き締めて欲しかった。
いつも求めたら手から溢れ落ちるから、いつしか誰かを頼る事なんて出来なくなっていて…
自分で心に鍵をかけていた。
ろうちゃんがいたから、來臥との事を乗り越える事が出来た。
人を信じられるようになった。
大事な友達ができた。
感情を取り戻す事も…
自分に自信を持つことも…
「蘭珠…好きだ…愛してるよ」
「俺も好き」
『まるで宝石箱みたいだね』
闇色のキャンパスに散りばめた光は、俺の心を溶かしてくれる。
來臥のあの言葉は、
多分、一生忘れないと思う。
今まで色々あったけど、それがあるから今があるんだって思えるから…
だからね?
今度は、俺が闇を照らせるように
ろうちゃんと一緒に…
《fin》
最初のコメントを投稿しよう!