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「吃驚した。どうかした?タルト嫌い?」
「…いや」
「?……ろうちゃ…ぁ…」
俺の手を掴んでそのままスプーンを俺の口に持ってくるから、思わずあむっと食べてしまった。
うん、俺はもっと甘い方がいい。自分用に、ぷりん味の作ろうかな。
と、考えていたら…
俺の手を離して頬に添えられた手で、後ろを向かされて。
「んぅ…ふ…」
口の中で絡め取られる舌が、チョコレートの味がした。
「っは…ろう…ちゃ?」
「蘭に直接貰った方がいい」
なんて、間近で微笑みながら言うもんだから思わず見惚れてしまったじゃないか。
もう、ろうちゃんの肉食獣!
「…おかわり」
「む。夜まで待てないの?」
「塗っていいならな」
「ろうちゃんってやっぱり肉食獣だよね」
「お前限定だ」
そう言って、今度はチョコレートを指に絡めて差し出してくる。
だからさ?
身体をろうちゃんに向けて、ろうちゃんを見上げながらその指を舐めてあげた。
ついでにチュッと音がするように。
そうすると、
闇色の鋭い瞳が熱を帯びて細まるんだ。
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