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「小悪魔だな」
「ろうちゃん限定だけどね」
「フ…やっぱりお前には負ける」
そう言いながら俺の唇を啄むから、ろうちゃんの首に手を回した。
大好きなろうちゃんに、俺の思いが通じるように…
チョコレート味の口付けを交わすんだ。
もう、二度と離れないように…
「(バアアアン!)俺の蘭珠に気安く触るんじゃねぇ!この糞餓鬼!」
「………チッ」
勢いよく開いた扉に、般若の父さんと呆れた顔の紫音さんがいた。
つか、ろうちゃんの舌打ち聞こえてるけど?
父さんの額に青筋増えたし。気にしないんすね。
「相変わらず大人気ないですよ」
「うるせーよ、まだ蘭珠を嫁にやる気はねぇからな!」
賑やかになったキッチンに、思わず笑みが溢れてしまう。
俺の大切な一時。
仕方ないから父さんのチョコレートに、ハートマークでも描いてやろうかな。
《fin》
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