◆番外編*いち◆

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「小悪魔だな」 「ろうちゃん限定だけどね」 「フ…やっぱりお前には負ける」 そう言いながら俺の唇を啄むから、ろうちゃんの首に手を回した。 大好きなろうちゃんに、俺の思いが通じるように… チョコレート味の口付けを交わすんだ。 もう、二度と離れないように… 「(バアアアン!)俺の蘭珠に気安く触るんじゃねぇ!この糞餓鬼!」 「………チッ」 勢いよく開いた扉に、般若の父さんと呆れた顔の紫音さんがいた。 つか、ろうちゃんの舌打ち聞こえてるけど? 父さんの額に青筋増えたし。気にしないんすね。 「相変わらず大人気ないですよ」 「うるせーよ、まだ蘭珠を嫁にやる気はねぇからな!」 賑やかになったキッチンに、思わず笑みが溢れてしまう。 俺の大切な一時。 仕方ないから父さんのチョコレートに、ハートマークでも描いてやろうかな。 《fin》
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