◆番外編*に◆

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まだ薄暗い朝に起きる俺の隣では、 安心して俺の胸元に擦りよる蘭珠がいる。 本当ならば、蘭珠は俺の雇い主だ。 雇われボディーガードが同じ床につくなど、あってはならないだろう。 だが、これは蘭珠が望んだ事。 紫音さんや会長も認めた。 …ただ1人、未だに俺を敵視している社長がいるが。 春が近いといえど、素肌は寒いのだろう。 少し離れた俺を追うように伸ばされた手を握り、俺の代わりに狼のヌイグルミをやれば… 満足そうに抱き付いている。 この狼が何故か俺に似ているからと、今一番のお気に入りらしい。 嬉しいような複雑な気分だが… 「……ろ……ちゃ…」 そう言いながらふにゃりと笑うから、俺の口元も緩んでしまうんだ。 蘭珠の額に口付けてから、その場を離れた。 今日は特別な日。 普段、俺が蘭珠に甘いといっても限度がある。 仮にも次期社長になるんだから、普段は厳しいぐらい制限されるんだ。 何をするにも… だから、 今日ぐらい好きな事をさせてやりたいだろう? ,
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