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「おはようございます」
「おはようございます、今日は早いですね」
俺の1日は、まず屋敷内の見回りから始まる。
普通ならば一番安心出来る筈の自宅なのに、
ここは違う。
未だに蘭珠をよく思わない輩がいるからだ。
以前、蘭珠が屋敷内で襲われてからは更に警備体制が強化されている。
それでも…
「今日も差出人不明のラブレターが届いてますよ」
「…………チッ」
「クスクス。本当に貴方は蘭珠様が大切なんですね」
「……失礼しました」
思わず漏れた舌打ちに笑って流してくれる紫音さんも、
蘭珠にはかなり甘い。
「まぁ、大体は予測ついてますから大丈夫ですよ。
それより、蘭珠様に変わりはないですか?」
「はい」
テキパキと使用人を動かしながら俺と会話する、
この屋敷の影の実力者は…
「ああ。あまり蘭珠様が可愛らしいからといって毎日盛っていたら、貴方の体力が持ちませんからね?」
「………」
さらりと事も無げに釘を刺す。
「しかし困りましたね。最近、特に艶やかさに色気が増してきてます。ハイエナに気を付けて下さいね」
笑顔でとどめを刺されれば、頭を下げるしかなかった。
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