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「今日は夕方から時間を空けていますから、目一杯蘭珠様に羽根を伸ばさせてあげて下さいね。
くれぐれも、
外では酒を飲ませないで下さいね」
「……わかってます」
…帰ってから、部屋で飲ませるさ。
紫音さんから離れて再び屋敷内外を見回り、無線で他の奴と連絡をいれる。
腕時計を確認すれば、蘭珠を起こす時間になっていた。
俺と再会してからの蘭珠は、俺が傍にいないと不安定になる。
表面上ではなく、中身がだ。
あ?言い方が可笑しいか?
つまり、目覚めた時に俺がいないと…
「………っ」
こうやって、自分を護るように身体を丸めて震えているんだ。
未だに闇に足を絡め取られているから…
「大丈夫だ。俺は、ここにいる…蘭」
「…っ……ろう…ちゃ…」
布団から頭をだして俺を視界に捕らえると、
安心したように吐息をはいたのがわかった。
「どこに行きたい?」
蘭珠の身体を毛布に包んで、ベッドに腰掛ける俺の膝の上で抱き締めると…
俺の首に手を回して…
「んー…どこでも……おはようのちゅーは…?」
そう言って、俺を煽るんだ。
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