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「いいな。くれぐれも気を付けろよ。蘭珠に何かあったらてめぇを八つ裂きにしてやるからな」
「戯れ言は構わなくていいですからね。いってらっしゃいませ」
そんな見送りをされたのが、1時間前。
今は海が見える峠を走っている。
やはり人混みだと、何かと対処にこまるからだが…
「ろうちゃんと2人で来たかったんだ」
そう言って俺にキスをするから、蘭珠の細い腰に手を回して深く舌を絡めとった。
鷺ノ宮にもプライベートビーチがあるが、蘭珠はここに来たかったと言って…
神楽兄弟に連絡をした。
そこは…
俺が蘭珠から離れた時に、遠くからその姿を眺めていた所で…
「やっぱりまだ寒いね。でも潮風が気持ちいいや」
そう言って、波打ち際で海を眺めていた。
あの頃は、俺も色々あって傍にいる事も辛く逃げた。
…言い訳をする気はない。
俺は、逃げたんだ。
蘭珠の気持ちを知りながら…
俺達は同じ闇を抱えて、同じ辛さも味わった。
だから、その気持ちが依存ではないのかと…
蘭珠の言葉を遮ったんだ。
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