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俺の恋人と蘭珠の恋人が関係あると知った悲しさよりも、
それを知った蘭珠の心の傷の方が気になったのに気づいた時…
彼女を責める事が出来なかった。
結局は俺も同じなんだと…
蘭珠が俺を慕ってくれて、依存しているのもわかった。
それでもいいから、俺を頼れ。
そんな優越感に浸りながら…
「…風邪ひくぞ」
「ろうちゃんってやっぱり過保護だよね」
「…お前限定だ」
「ふふ。暖かい」
後ろからその小さな身体を抱き締めれば、嬉しそうに笑って俺の腕に手を添える。
やっと、手に入れた俺の命だ。
誰にも…
もう二度と触れさせない。
二度と傷付けさせない。
「…ろうちゃん」
「ん?」
「…有難うね」
「蘭?」
「…俺さ…言葉にするの苦手だから。ろうちゃんはいつも俺の思ってる事がわかるから…
俺…
初めて逢った時から、ろうちゃんは俺の中で特別だったんだと思う。
ろうちゃんがいてくれるから、前に進めた。
ろうちゃんがいてくれるから、辛い事も乗り越えられたんだ」
そう言った蘭珠の瞳は、真っ直ぐで…
凄く綺麗だった。
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