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「………飲むからだ、ばか」
「うー…だってぇー、美味しかったんだもー」
海に行った後、近くの喫茶店でパフェを頬張る蘭珠にピアスを渡した。
それは普通のピアスではなく…
紫音さんと思案して決めた、高性能のチップが入っている。
どこにいてもわかるように…
夕食時、何を張り合ったのか社長がいつもより豪勢な食事を用意していた。
それがまたワインに合うからと、弱い癖に飲んで…
結果、
グラス一杯で酔っぱらい。
「とりあえず着替えろ…蘭?」
「バンザイー!」
「……ハァ」
衣服を脱がす俺は、ふとポケットに入っていた飴を蘭珠の口にいれると…
「プリン味だー。ろうちゃんからのホワイトデーだー!」
「…なるほど。物より食い物か」
「ろうちゃん、有難う」
「いつもより積極的だな、酔っぱらい」
「今度はろうちゃんに酔いたい」
「………。また怒られるな」
「…んぅ」
蘭珠からの口付けを深いものに変えて…
明日も明後日も…
1年後も10年後も…
お前の傍を離れる気はないから…
安心して俺に心も身体も任せていろ。
お前が二度と悲しみに染まらないように、俺が護るから…
《fin》
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