Chapter12 かこむもの

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不思議な力を感じる方へ進んでゆくと林が見えてきた。 こんな崖下に林があったんだ。 力は林の中から強く感じる。 林に入口のようなところはない、木と木の間から入るしかない。 そう思って、木の隙間から林に入った瞬間だった。 ビュッという空気が切られるような音が鳴り響き…… 「痛っ!?」 私の肩が黒い影に斬りつけられた。 服が破れて血が滲んでいる。 「いったぁ……」 影を目で追うと木の近くに一匹の黒い蝶。 どうしてこんなところに蝶がいるの? 蝶はまだ私のまわりを飛んでいる。 林に入るのを拒んでいるように。
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