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「こいつが悪いんだよっ。あんな目で俺を見るから」
そう叫ぶ木崎の瞳には涙が浮かんでいた。
私の右腕から流れた血が地面に垂れている。
私は人と関わってはいけない。
私は“くくり”憑きの巫女だから。
私を傷つけてはいけない。
“くくり”がこの世とあの世を繋げてしまうから。
だから、もうだめ。
「木崎さん、しっかりしてください。女の様子が変です」
「跪(ひざまず)いたりしないで立ってくださいよっ」
--次の瞬間。
土埃が大きく舞い上がった。
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