Chapter1 くくるもの

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誰が吊るしたんだろう。 三門(みかど)さん、かなあ。 三門さんはここ神谷(かみや)神社の宮司で、私が世話になっている恩人様。 年齢は20代後半……と何年前からかずっと言っている。 私は姫野菊理(ひめのくくり)。 修行中の巫女として、この神社に住み込みで勤め、神事の手伝いをしている。 年齢は、通っていれば今年高校を卒業しているくらい。 ちょっと訳ありで去年退学している。 なので今はすっかり巫女が本職。 今朝も日課である落ち葉掃除をしていた。 季節は秋の終わり。 朝は少しだけ肌寒く感じる。 天気は綺麗な青空、てるてる坊主の願いが叶ったのかもしれない。 だけど、やっぱり苦手だな。私は。
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